国際ニュースなどでたまに聞く「G7」って何をしている組織かご存知ですか?最近だとコロナウイルスに関する首脳会議などを開催していました。G7については、国際政治や外交について理解を深めるうえで、知っておくべき知識のひとつです。今回はそんなG7について、わかりやすく解説します。
1 G7とは
G7とはGroup of Sevenの略で、日本語では主要7カ国や、先進7カ国と呼ばれます。
構成メンバーは以下の通りです。
G7の構成メンバー
- 日本
- アメリカ
- イギリス
- イタリア
- カナダ
- ドイツ
- フランス
- 欧州連合(EU)
G7の実態は、先進7カ国+1地域(EU)ということですね。
G7の構成メンバーが集まって開催する会議を、英語ではサミット(Summit)、日本語では主要国首脳会議、主要7カ国会議や、先進7カ国会議とも呼ばれます。どの言葉も基本的に、同じものを意味します。
2 G7の設立と、その目的
G7は1975年に設立されました。
1970年代、西側諸国はニクソン・ショック(1971年)や第1次石油危機(1973年)などの経済的な問題に直面しました。その結果、先進国の間で,世界の経済問題(マクロ経済,通貨,貿易,エネルギーなど)に対する政策について,首脳レベルで議論する場が必要という考えが生まれ、G7が設立されました。
3 G7の活動内容
G7メンバー間では、自由,民主主義,人権などの基本的価値観が共有されている前提の下、先進国のリーダーとして、サミットの場で、世界的な問題について「解決に向けて何をすべきか」協議します。年1回の定例会の他、国際情勢に応じて緊急会合が開かれます。
サミットは当初、経済に特化した会議でしたが、現在では安全保障や気候変動など、様々な分野の議論がなされています。成果は首脳宣言としてまとめられ、G7構成メンバー国の国際社会における行動指針の一つとなります。例えば2019年にフランスで開かれたビアリッツ・サミットでは、不平等、アフリカ(への支援)、気候変動、生物多様性、海洋、デジタル化について議論され首脳宣言として発表されました。
こちらで詳細を読むと分かりますが、サミットでは構成メンバー以外の国際機関や国が招かれる場合もあります。議題となった国際問題について議論するうえで重要な役割を担うと判断された国や機関が招かれます。ビアリッツ・サミットではアフリカが議題の一つとなったこともあり、アフリカに関係した国際機関(世銀,IMF,国連,AU,アフリカ開銀)や5か国のアフリカ代表国(ルワンダ,セネガル,エジプト,ブルキナファソ,南ア)
が招かれました。
4 G7の特徴
G7は、国連などの国際機関とは異なり、国際社会における1つのチームとして位置づけられるため(制度や事務局も無いです)、基本的な価値観が共有されていることがとても重視されています。逸脱した場合には参加を停止することあり、2014年にはウクライナに対する軍事介入で非難を浴びたロシアの参加資格が停止になりました(2014年まではG8として活動していました)。中国が参加していないのも、一人当たりの所得が低いことや、民主主義や人権に関する考え方が一致していないためと言われています。
5.まとめ
G7とは
- G7とは先進7カ国+1地域(日本、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、フランス、欧州連合(EU))
- G7の会議=サミット
- 価値観を共有を前提に、1つのチームとして世界の様々な問題について、解決策を議論する。
- 年1回の定例会のほか、必要に応じて緊急会合が開催される。
- 国際機関ではなく、あくまでチームという位置づけ
- 参加国でも考え方が違うとチームメンバーが判断した場合には、参加できなくなる国もある。(ロシアが2014年に参加停止)
G7が何をしているか、ざっくりでも理解していただけたら幸いです!
G7は外交とも密接な関係があります。日本の外交についてはこちらで解説しています!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/ko_2000/faq/index.html
https://jp.ambafrance.org/article14682
https://www.bbc.com/news/world-49434667
https://bigthink.com/why-is-china-not-in-the-g8
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