【4分で読める】英語論文の読み方のコツ~欧米大学院出身者が論文の構成から時間節約の小技まで解説~

2022年7月2日土曜日

英語 研究

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eigoronbun.yomikata

 

 欧米の大学院では、英語でたくさんの論文を読みます。経験をたくさん積んで、論文を読む技術、書く技術を身につけるためです。では、論文を読む技術って何でしょう?論文って「1ページ目から最後まで順に読むしかないんじゃないの?」って思う方もいるのでは?実は、ちょっとしたコツが分かれば、論文を読む時間を圧倒的に少なくできます。今回は読む技術について説明します。

書き方についてはこちら

【4分で読める】英語論文の書き方のコツ教えます~欧米の大学院出身者が論文の構成から主な4つのルールまで解説~

 

英語の論文はやっぱり読むのが大変

  ネイティブでもない限り、英語の論文読むって、大変そうですよね、、しかも新しく学ぶ分野だし、知らない単語がたくさん出てくるし、何十ページもあるし、、
 英語が苦手な私は、「何の修行!?滝行の方が楽なのでは?」って思いました。実際、1つの英語の論文を読むのに、最初は1日かかりました。しかし、最終的には1つの論文を1時間ほどで読めるようになりました。参考文献程度であれば、10分まで短くできました。それは何故か、、、秘密は英語の論文の構成にあります。

 

英語の論文の構成を理解する

 ここでは特に、社会科学の論文を例に説明します。日本だと社会科学の中でも起承転結の形や欧米式、古いものだと論述っぽく書かれているなど、書き方が様々であるのに対し、英語の論文は構成が決まっており、それに沿って書きます。概要は、以下の通りです。(*1)


(1) 要約(研究結果の内、1番伝えたいこと)
(2) 導入(研究の目的や、過去の研究のまとめ)
(3) 過去の研究への批判・本論文の特徴
(4) 本論文で使う理論と分析の方法
(5) 分析結果
(6) 考察(理論と本研究の分析から言えること)
(7) 結論・今後の展望


 大学院では沢山の論文を読みながら、上記の構成をしっかりと頭に叩き込みます。そうすることで、自分が論文を書くときに他の論文を参照する際、自分の知りたい情報が記載されているパート(理論を知りたければ、(3)理論のパート、分析結果を知りたければ(5)分析結果のパート)が即座に分かり、効率的に数多くの研究を参照できます。

 

ちょっとした3つの小技を駆使して時間を節約

(1)パラグラフ(段落)の冒頭に注目 

 英語を勉強する際に聴いたことがある方も多いかもしれませんが、英語はパラグラフごとに、主張したいことが分けられていることが多いです。さらに、パラグラフでも冒頭に主張したいことが書かれていることが多いです。このあたりも、沢山の論文を読む中で役に立ちます。

(2)要約に注目

 日本語の多くの論文と異なり、英語の論文では要約で全てのネタばらしをします。良い論文だと要約はとても簡潔にまとまっており、その論文で何を言いたいのかを簡単に知ることができます。例えばこの論文の要約を読んでみてください。要約だけで研究の概論を大体理解出来ますね。

(3)定型文に注目

 英語の論文では、ポイントごとである程度決まった言い回しが用いられます。これらに注目することで、自分の欲しい情報を効率よく取得できます。以下に例を示します。

1)論文自体の目的(調査から何を導き出したいのか)を示す
      This report (examine/study/aims to) …
 

2)これまでの研究について言及する
   The past (reports/ articles/ research) (examine/ find/ search/shows)…
 

3)この論文で何を調べたのか(調査対象)を示す
    This report (search/analyzes) …
 

4)分析結果が表していること
  The (data/result) shows …
 

5)この論文で導き出されたこと
     This report finds …
 

6) この論文の限界
   The limitation of this report …

 

まとめ

 皆さんも英語の論文を読むときは、この記事で触れたポイントを意識してみてください!分析手法も合わせて学ぶと、更に効果的です!

 【3分で読める】定量的研究/定性的研究とは? 欧米の大学院出身者がわかりやすく解説!論文を読んだりレポートや卒論を書いたりする前に知っておこう!

英語の論文の読み方、書き方をしっかり身に着けたい方は、やはり実践で学ぶのが1番効率的だと思いますので、欧米の大学院も視野にいれて考えてみてくださいね!

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

参考文献

*1 Johnson, B. J. and Reynolds, H. T. (2012) Political Science Research Methods, 7th edition. Los Angeles: CQ Press. 

*2 九州大学情報基盤研究開発センター 天野 浩文「英語で論文を書こうとする人へ」

*3 株式会社ワードバイス 論文で使えるアカデミック英語のフレーズ集


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