この記事では学術的な研究の世界で使われている、2つの代表的な手法について説明します。国際協力に限っての話ではありませんが、大学のゼミなどで研究をする際に、どのようなやり方で研究を行いますか?研究手法の選択(リサーチデザイン)は、質の高い研究、を行う上で欠かすことのできないものです。国際関係論や平和構築などを学ぶ国際協力に興味がある学生さん以外でも、参考にしていただけると幸いです。
※ この記事は社会科学を例に説明しており、理系分野などでは考え方が多少異なることもあります。
定量的研究
1つ目は定量的研究では、データなどの数値を用いて、主に統計的な手法(回帰分析など)で研究をします。「回帰分析の結果、ooとxxに相関関係が確認された」などの説明があれば、それは定量的研究をしたと分かります。
この研究の主な特長は、再現性が高い、つまり、同じ分析を別の人が行っても、同じ分析結果が出るという点です。また、大量のデータを使って研究するため、客観性や信憑性が高く、研究対象が全体としてどのような傾向があるかを知ることも出来ます。例えば「紛争が長引くほど、難民の数が増える傾向がある」といった研究結果を出せます。
一方で、細かな部分について知ることは難しいです。また、有意性を確保するため、一定量以上のデータを得られない場合にはこの手法を選択することはできません。
定性的研究
2つ目は定性的研究は、歴史的な文書やインタビューなどの情報を用いて研究する方法です。
「フィールドワークで現地でインタビュー調査をして」といった論文は、こちらにあたります。インタビュー相手の価値観の深い部分まで知れて、データには表れない多様な文化や、文化と価値観の関係性などを知れます。
また、歴史的な現象を古い外交文書などを用いて研究する際にも役に立ちます。「ある事件の原因は歴史的な民族の対立である」のような研究結果を導き出せます。
一方で、全体としてどんな傾向があるのかを客観的に知ることは難しいです。また、インタビューなどではインタビューを受ける人個人の経験や知識に頼る部分が大きいため、別の人にインタビューをすると違う結果が出る可能性もあり、再現性は量的研究と比較すると劣ります。
まとめ
このように、定量的研究と定性的研究の両方に特長があり、どちらかが優れているということはありませんが、研究の目的(何を明らかにしたいのか)を意識して、使う研究手法を選んでみてください。
この記事は、入り口だけの解説となってしまいますが、より詳しい内容を知りたい方は、こちらで詳しく解説されているようなので確認してみてください。また、よりしっかりと研究手法について学びたい方には、下記の本がおすすめです!
上記の本を読んでみたけれど、ちょっと難しい!と思った方には、下記の本がおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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