「開発途上国に工場をつくる?」「産業を支援する?」
そんなニュースの背景にあるのが、UNIDO(ユニド)という国際機関です。
UNIDOは、開発途上国が自分たちの産業を育て、貧困から抜け出せるように支援するための国連機関です。
1. UNIDOとは?
UNIDOは「United Nations Industrial Development Organization」の略で、日本語では「国連工業開発機関」と訳されます。
設立は1966年、本部はオーストリアのウィーンにあります。開発途上国の工業・産業の発展を支えることが、UNIDOの最大の使命です。
「自分の国でモノを作る力」をつけることは、働く場所を生み出し、貧困を減らし、経済を自立させるためにとても大切です。
2. どんな国のために働いているの?
UNIDOの支援対象は、アジア・アフリカ・中南米・中東など、いわゆる「開発途上国」と呼ばれる国々です。
特に次のような状況の国に焦点を当てています:
- 産業が十分に発展していない
- 雇用が少なく若者の仕事がない
- 農業に頼りすぎていて経済が不安定
- 女性や若者の働く場が少ない
これらの問題を解決するには、「産業(インダストリー)」を育てて自立できる力をつけることが必要なのです。
3. どんな仕事をしているの?
UNIDOは、技術・資金・知識などを使って、開発途上国に工業開発を支援します。
代表的な活動には以下のようなものがあります:
- 工場の建設や改良(環境にやさしい製造施設)
- 技術者の育成(機械や電気、食品加工など)
- 起業支援(特に女性や若者のビジネス)
- 再生可能エネルギーの導入(ソーラー発電など)
- 環境負荷の低減(廃棄物管理、省エネ設備)
例えば、アフリカのある国では、UNIDOが支援してソーラーパネル工場が建設され、電力が安定し、若者の雇用も増えました。
4. 持続可能な開発目標(SDGs)とUNIDO
UNIDOは、SDGsの中の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に深く関わっています。
さらに、次のような目標ともつながっています:
- 目標1:貧困をなくそう
- 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
- 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
「工場を建てる」と聞くと環境に悪そうなイメージがあるかもしれませんが、UNIDOは環境と調和した産業開発を目指しています。
5. 日本とUNIDOの関わり
日本はUNIDOにとって非常に重要なパートナー国です。
- 日本の技術やノウハウを使った開発支援
- 中小企業支援、職業訓練プロジェクト
- 日本の大学や企業との連携プログラム
たとえば、京都の企業の省エネ技術をアジアの工場に導入するなど、日本の経験を活かした国際協力が進んでいます。
6. 将来UNIDOで働くには?
UNIDOでは、以下のような分野の知識や経験が役立ちます:
- 工学、機械、エネルギー、IT、農業技術
- 経営学や経済学
- 開発学・国際関係・環境科学
語学(英語やフランス語)、多文化理解、チームワークのスキルも重要です。
まとめ
UNIDOは、開発途上国が「モノをつくる力」を持てるように支援する国連の機関です。
工場の建設、技術教育、再生エネルギーの導入など、産業の力で貧困をなくすという壮大なミッションを持っています。
「持続可能な発展」は、自然と人、両方を大切にするバランスが大事。UNIDOはその実現を目指して、今日も世界中で活動しています。
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