【中学生にもわかる!】UNIDO(国連工業開発機関)ってなに?

2025年7月22日火曜日

外交 国際関係論 国際協力 国連 統計

t f B! P L

 



「開発途上国に工場をつくる?」「産業を支援する?」
そんなニュースの背景にあるのが、UNIDO(ユニド)という国際機関です。

UNIDOは、開発途上国が自分たちの産業を育て、貧困から抜け出せるように支援するための国連機関です。

1. UNIDOとは?

UNIDOは「United Nations Industrial Development Organization」の略で、日本語では「国連工業開発機関」と訳されます。

設立は1966年、本部はオーストリアのウィーンにあります。開発途上国の工業・産業の発展を支えることが、UNIDOの最大の使命です。

「自分の国でモノを作る力」をつけることは、働く場所を生み出し、貧困を減らし、経済を自立させるためにとても大切です。

2. どんな国のために働いているの?

UNIDOの支援対象は、アジア・アフリカ・中南米・中東など、いわゆる「開発途上国」と呼ばれる国々です。

特に次のような状況の国に焦点を当てています:

  • 産業が十分に発展していない
  • 雇用が少なく若者の仕事がない
  • 農業に頼りすぎていて経済が不安定
  • 女性や若者の働く場が少ない

これらの問題を解決するには、「産業(インダストリー)」を育てて自立できる力をつけることが必要なのです。

3. どんな仕事をしているの?

UNIDOは、技術・資金・知識などを使って、開発途上国に工業開発を支援します。

代表的な活動には以下のようなものがあります:

  • 工場の建設や改良(環境にやさしい製造施設)
  • 技術者の育成(機械や電気、食品加工など)
  • 起業支援(特に女性や若者のビジネス)
  • 再生可能エネルギーの導入(ソーラー発電など)
  • 環境負荷の低減(廃棄物管理、省エネ設備)

例えば、アフリカのある国では、UNIDOが支援してソーラーパネル工場が建設され、電力が安定し、若者の雇用も増えました。

4. 持続可能な開発目標(SDGs)とUNIDO

UNIDOは、SDGsの中の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に深く関わっています。

さらに、次のような目標ともつながっています:

  • 目標1:貧困をなくそう
  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を

「工場を建てる」と聞くと環境に悪そうなイメージがあるかもしれませんが、UNIDOは環境と調和した産業開発を目指しています。

5. 日本とUNIDOの関わり

日本はUNIDOにとって非常に重要なパートナー国です。

  • 日本の技術やノウハウを使った開発支援
  • 中小企業支援、職業訓練プロジェクト
  • 日本の大学や企業との連携プログラム

たとえば、京都の企業の省エネ技術をアジアの工場に導入するなど、日本の経験を活かした国際協力が進んでいます。

6. 将来UNIDOで働くには?

UNIDOでは、以下のような分野の知識や経験が役立ちます:

  • 工学、機械、エネルギー、IT、農業技術
  • 経営学や経済学
  • 開発学・国際関係・環境科学

語学(英語やフランス語)、多文化理解、チームワークのスキルも重要です。

まとめ

UNIDOは、開発途上国が「モノをつくる力」を持てるように支援する国連の機関です。
工場の建設、技術教育、再生エネルギーの導入など、産業の力で貧困をなくすという壮大なミッションを持っています。

「持続可能な発展」は、自然と人、両方を大切にするバランスが大事。UNIDOはその実現を目指して、今日も世界中で活動しています。

サイト内検索

アーカイブ

Translate

QooQ