日本の国際協力の現場で働いていると、開発コンサルタントという職種の人に会うことが多いです。彼らは基本的にJICAに雇われて活動しています。今回は開発コンサルタントについて、どんな仕事なのか、開発コンサルタントで働くには何が必要なのかについて説明します。
JICAについてはこちらも読んでみてください。
【3分で読める】JICAとは?なにをしている組織?JICAで働くには?業界関係者がわかりやすく説明します!
開発コンサルタントとは
海外コンサルタント協会では、開発コンサルタントを「現地でさまざま調査や具体的な作業を実施し、中立的な立場から援助プランをひとつひとつ実現していく、頼もしいパートナー」と定義しています。より詳しく彼らの仕事を説明すると下記の4点があげられます。
1.事前調査とニーズアセスメント
開発コンサルタントは、受益国のニーズや課題を評価するための調査を行います。これには、現地調査、データ収集、ステークホルダーとの対話などが含まれます。
2.計画策定
彼らは受益国のニーズに基づいて、具体的な開発計画を策定します。これには、プロジェクトの目標設定、予算の作成、実施スケジュールの立案などが含まれます。
3.施工管理
開発コンサルタントは、プロジェクトの実施に向けて、施工管理や技術支援を行います。彼らはプロジェクトの進捗状況を監視し、必要に応じて調整や修正を行います。
4.事後評価
プロジェクトの完了後、開発コンサルタントはその成果を評価し、効果や持続可能性を検証します。これにより、今後の開発プロセスの改善や同様のプロジェクトの計画に役立ちます。
これらの仕事の多くは建築、土木、農業、交通、教育、医療、水産、プロジェクトマネジメント等の専門的な知識が必要になり、開発コンサルタントで働く多くの方が専門家や技術資格を持った人です。
開発コンサルタントで働くために必要な能力
開発コンサルタントで働くためには、主に下記の能力を求められます。
1.専門知識と技術力
開発コンサルタントは、特定の分野に関する専門知識や技術力を持っている必要があります。例えば、土木工学、農業経済学、公衆衛生学など、開発プロジェクトに関連する分野の知識が求められます。例えば建築士ですと、下記の記事のような仕事をします。
【2分で読める】国際協力における専門家の仕事をわかりやすく解説 ~建築士編~
2.国際協力や開発に関する理解
開発コンサルタントは、国際協力の基本原則や開発に関する理解を持っている必要があります。これには、途上国の社会や経済の背景、開発の課題やニーズに関する理解が含まれます。
3.コミュニケーション能力
開発コンサルタントは、異なる文化や言語を持つステークホルダーと円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。また、チーム内での協力や調整も重要です。
4.プロジェクトマネジメント能力
開発コンサルタントは、プロジェクトの計画、実行、監視、評価などのプロジェクトマネジメントスキルを持っている必要があります。予算管理やスケジュール管理、リスク管理などが含まれます。PDCAサイクルの知識は必須ですね。
【3分で読める】JICAでも使用されているPDCAサイクルとはなにか、わかりやすく説明します!
5.調査・分析能力
開発コンサルタントは、現地調査やデータ分析を行い、問題やニーズを正確に把握する能力が必要です。また、調査結果をもとに適切な解決策を提案する能力も重要です。
新卒でも開発コンサルタントで働けるのか
開発コンサルタントでは上記のような能力が求められるため、新卒採用はとても少ないです。また、業務の性質上建築や工学など理系の募集が多いです。
一方でプロジェクトマネジメントや各国の現地事務所の運営要員、平和構築などのソフトコンポーネントと呼ばれる分野の担当人材を育てる観点から、文系新卒学生の採用を行う会社もあります(株式会社コーエイリサーチ&コンサルティングや株式会社オリエンタルコンサルタンツなどが有名ですね)。
新卒で国際協力業界に就職するのは、JICAや外務省、各国大使館以外だと極めて限られるので、ぜひ挑戦いただきたいです!どんな企業があるのか、海外コンサルタンツ協会のページでご確認いただくと良いです!
まとめ
いかがだったでしょうか。開発コンサルタントは国際協力の最前線(場合によっては現地に駐在して)、プロジェクトを作り上げて実行していく、とても魅力的な仕事です。この記事を通じて少しでも開発コンサルタントに興味を持っていただけたら幸いです。
JICAについてはこちらで説明していますので、こちらも参考にしてください!
【3分で読める】JICAとは?なにをしている組織?JICAで働くには?業界関係者がわかりやすく説明します!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
0 件のコメント:
コメントを投稿