「移民」と「難民」、国際協力の業界にいなくても、ウクライナやアフガニスタン、シリア問題からEUの話などでよく聞く言葉ですが、実は違いが分からないという方のために分かりやすく解説します。
例えば、国連では移民と難民を以下のように定義しています。
移民とは:移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。(参照元:国連経済社会局)
難民とは:迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々を指します。(参照元:国連難民高等弁務官事務所)
分かりやすく言い換えると、仕事など色々な目的で他の国から移住してきた人は移民です。戦争や差別などにより自分の国に住めず、やむを得ず国外に逃げてきた人は難民です。シリアやウクライナの争いから逃げてきた人やロヒンギャで迫害を受けた人々が難民と呼ばれるのは、このためですね。
例えば、ある国に仕事をするために移り住んでいる人は移民ですね。一方で、戦争から逃れるために外国に移り住む人は難民ですね。移民と難民を分けるのは「やむを得ず国外に逃げてきたかどうか」ということになります。
移民、難民に対する援助等
移民については、移民先の国で元々その土地に住んでいる人と平等の権利を持ち、差別を受けることなく生きていくことを助ける目的で、各国に援助団体が存在します。また、国際移住機関(IOM)による国際的な援助も行われています。IOMは移民支援だけでなく、難民支援も行っており、現在では難民支援が主な業務となっています。
難民については、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民に関する諸問題の解決を任務に、難民の保護等をしています。
そのほか「難民を助ける会」や「Plan International 」等様々なNGO等が支援活動を行い、移住の手助け、移住後の生活支援をしています。難民の支援をしたいと考えている方は、是非仕事先としてこれらの組織を検討してみてください。
まとめ
この記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 移民とは、仕事など目的によらず他の国から移住してきた人。
- 難民とは、戦争や差別などにより自分の国に住めず、やむを得ず国外に逃げてきた人。
- 両者の違いは「やむを得ず」移動したかどうか。
- 国際移住機関(IOM)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、NGOなどが移民や難民の支援を行なっている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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