アフリカなどの紛争地域では、子供が兵士として戦場に駆り出される少年兵・子ども兵士の問題が無くなりません。誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。子ども兵士は世界に25万人以上いると言われており、主に南スーダンなどのアフリカ諸国や中東で今でも子ども兵士は生まれ続けています。
今回は、国際協力の世界でホットトピックの一つである「少年兵(子ども兵士)」について、なぜ無くならないのか、また少年が戦場に駆り出される理由について簡単に説明します。
少年兵(子ども兵士)の定義
赤十字国際委員会では少年兵を以下のように定義しています。
強要されて、または、自らの意思によって、軍や武装グループの一員となり戦闘に参加する子どもたち
(引用元: 赤十字国際委員会 (ICRC))
強要されて兵士になる子どもや、自分の意思で兵士になる子どもが今の世の中でもいるんです。中には連れ去られて兵士になったり、親を殺されて兵士にさせられる子どももいます。日本で暮らす私達にとっては信じられないですよね。どうして子どもを兵士に使おうとするのでしょう?
少年兵が生まれ続ける理由
(1)軍や武装組織にとって経済的
少年兵は、大人の兵士と比べ、食事も少なめで済むほか、誘拐などを通じてコストをかけず、大量に兵士を調達することも可能です。お金のない武装組織にとって、コストが低い戦力は、とても魅力的です。
(2) 兵士になる人材がいない
アフリカなどの国では、長い戦闘の結果、戦力になる若者がほとんど亡くなり、子どもの割合が多いことがあります。戦力(もしくは労力)として使える人材が子どもしかいなければ、結果的に武装組織などが子どもを雇うことを選ぶこともあります。
(3) 子どもの置かれている環境が過酷
貧困国の子どもは、ストリートチルドレンなども多いです。毎日の食事に苦しみ、仲間も少ないストリートチルドレンよりは、3食食べれて仲間も沢山いる武装組織のほうが居心地がよく、兵士を志望する少年もいます。
(4) ゲリラ戦に向いている
一般的に子どもに対して大人は警戒心が緩みがちです。市場や人の多い場所での自爆テロに、警戒心を持たれにくい子どもを利用することで、テロの成功率を上げられます。そういった自爆テロに利用される子どもは、自分が爆弾を持って歩いていることに気づいていないことも多いようです。
(5) 子どもは洗脳しやすい
教育が十分でないために人を殺すことがいけないこと、死ぬことが怖い、爆弾の怖さといった事ことをあまり理解していない子どももいます。そうした子どもを洗脳して、殺人を良いこととしたり、自爆テロを促すのは大人よりずっと簡単なため、子どもが選ばれることもあります。
(6) 体格が小さく、力や恐怖でねじ伏せやすい
子どもは体格の差もあって大人より弱いです。そのため暴力でねじ伏せてスパイとして利用したり、武器を運ぶ労働に使ったりするのが大人よりもずっと容易です。
元子ども兵士を助ける支援をしたい!
元子ども兵士の精神的なケアは、その後の子どもの成長に影響するため、とても大切です。NGOや国際機関などが支援を行っていますが、中でもUNICEFは、子どもの支援を専門に行っている国連機関です。子どもの支援に興味がある人は、就職先やボランティア活動先としての候補の一つにしても良いかもしれません。UNICEFは大学生のインターンシップも募集しています。また、こちらのNPOは、学生インターンを募集しています。大学生の時に何かしたいと考えている方は、募集要項を読んで準備を始めてみてはいかがでしょうか?
精神的なサポートという意味では、下記の記事でも紹介している臨床心理士などの資格を取るのも1つの道です。精神ケアの専門家としてこの問題の解決に携わるチャンスがあります。
【4分で分かる】国際協力業界で働くための進路は?大学の学部選び編~学部別キャリアパス Part 1~
まとめ
この記事をまとめると、以下の通りです。
- 子ども兵士とは、強制的もしくは自発的に兵士になる子どもを指す
- 大人に比べて子どもは兵士にしやすい。理由としては、軍や武装組織にとって経済的である、兵士になる人材がいない、子どもの置かれている環境が過酷、ゲリラ戦に向いている、子どもを洗脳しやすい、体格が小さく、力や恐怖でねじ伏せやすい等が挙げられる
- 元子ども兵士を支援する国際機関やNGOがあり、その活動には大学生でも参加できる
この記事を通じて子ども兵士について興味を持つきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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