2TICADの開催は2019年で7回目を迎えました。この記事では、これまで6回のTICADで決められたことを簡単に説明します。
1 TICAD I (1993年)「アフリカ開発に関する東京宣言」を採択
TICAD Iでは、世界の関心をアフリカへ呼び戻すきっかけをつくりました。さらにアフリカが自らの努力で成長することが不可欠なこと、1993年までの30年間で急速に成長したアジアの経験を、アフリカでも活かすことを確認しました。
2 TICAD II (1998年)「東京行動計画」の採択
TICAD IIでは、TICAD Iを踏まえ、具体的な優先すべき政策や行動を明記した「東京行動計画」の採択されました。優先すべき政策とは、教育や貧困解決等の「社会開発」、農業開発や工業開発などの「経済開発」、紛争予防などの「開発の基盤」を指します。また、この計画でTICADのキーワードでもある「オーナーシップ(自助努力)」と「パートナーシップ」の重要性が述べられました。さらに2001年には、TICAD IIをさらに具体的に話し合う閣僚会合が開催されました。ここで「人間の安全保障」などの概念が登場します。
3 TICAD III (2003年)「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の推進
2001年の閣僚会合でその進め方について先進国とアフリカ諸国の間で意見が交わされたNEPAD(アフリカ諸国によるアフリカの貧困等の問題に積極的に取り組むという誓約)を支援するための、さらなる協力を国際社会に対して呼びかけました。また、TICAD Iから10周年という節目の年であることから、今後もTICADを続けていくことが合意されました。その後、2004年のTICAD-AATIC(TICADアジア・アフリカ貿易投資会議)でアジアとアフリカ間の貿易・投資の促進や民間企業を通じた繋がりの強化が表明されました。さらに2006年のTICAD「平和の定着会議」にてアフリカの平和に対する支援強化が表明され、2007年のTICAD「持続可能な開発のための環境とエネルギー」閣僚会議にて気候変動問題やエネルギー問題に対応する支援等が表明されました。
4 TICAD IV (2008年) 「アフリカの成長の加速化」の表明
これまでのTICADを踏まえ、さらなるアフリカの成長のための支援が表明されました。例えば対アフリカODAの倍増、対アフリカの民間投資の倍増支援等があげられます。また、アフリカの成長のために幅広い支援の必要があることを再確認し、具体的な政策が「横浜行動計画」としてまとめられ、TICADの開発プロジェクトなどが問題なく行われているかの評価方法が定められました。
5 TICAD V(2013年)「民間セクターも重要視した開発」
前回(TICAD IV)で確認されたオーナーシップや人間の安全保障等を原則とする、アフリカのさらなる成長のための支援の再確認(ODA約1.4兆円を含む官民による最大約3.2兆円の支援)のほか、企業などの民間セクター主体での開発の重要性が表明され、民間セクター(民間企業)と各アフリカ諸国の首脳による会談が初めて行われました。
6 TICAD VI(2016年)「これまでのTICADの振り返りとさらなる発展」
これまでのTICADの方針を振り返り、各分野におけるさらなる支援や発展の可能性、エボラなどの感染症やテロなどの新たな脅威への対策が表明されました。これをまとめ、「ナイロビ宣言」が採択されました。
まとめ
いかがでしたか。TICADは回数を重ねるごとに具体的になり、支援の幅が少しずつ広がっていることが分かっていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考文献
外務省 アフリカ アフリカ開発会議(TICAD)
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