国際協力の世界で働いていると、政策学を学んだ人と出会うことがあります。では、政策学ってどんな学問なのでしょう?
海外の大学院で公共政策を専門に学んだ私が、国際協力の視点から説明していきます。
1.そもそも「政策」とは
政策を辞書で調べてみると、以下のような意味が出てきます。
「政府・政党などの施政上の方針や方策」
「目的を遂行するための方針・手段」と出てきます。*1(引用)
少し抽象的で、よく理解できないですね。。。
簡単に言うと次のとおりです。
「私の国では、〇〇という問題に対して××のように取り組みます」という国・地方自治体として方法・方針
2. 政策の段階
政策には、立案・実施・評価の段階があります。
例えばある国の政府が、貧しい国民に対して、「貧しい国民を救うべく、生活保護を行おう」と考えたとします(政策の立案といいます)。
そして、実際に生活保護を行うためのルールを作り、国として生活保護制度に取組みます。(政策の実施と言います)。
最後に、生活保護制度によってどのくらい国民の生活が豊かになったのか、調べます(政策の評価とも言います)。
これら一連の流れを1つずつ学び、全体としてどのように政策を運営するとより有効なのか、考えるのが政策学です。
かなり簡単に説明しましたが、具体的なイメージが湧いてきましたか?
3.政策系の学部、大学院で学ぶこと
政策系の学部や大学院では、政策を実施するための方法や各国の政策の比較、政策の分析方法を学びます。
政策学自体はどんな分野にも応用が効く学問です(学際的とも言います)。実際、政策学は、その中で様々な分野に分かれ、福祉政策や外交政策、刑事政策など、様々な専門分野があります。実際に政策系の学部に入学したら、分野の多様性に驚くことでしょう。
4.国際協力分野でどう活かせる?
国際協力分野においても、政策学はとても大事な分野です。例えば、食糧支援をどのように推し進めると効果的なのか考えたり(政策の立案)、国が行ったODAが本当に援助を受ける国や人々にとって意味のある援助になっているのか調べたり(政策の評価)等々。
これらの問題を扱うときに、政策学の考え方はとても役に立ちます。実際、政策学を学び、ODA評価などの専門性を武器に、国際協力の分野で活躍している人もいます。皆さんも興味があれば、大学や大学院では政策系の学部を進路の一つとして検討してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
*1 デジタル大辞泉 https://daijisen.jp/digital/
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