WIPOとは?世界知的所有権機関の役割と活動をわかりやすく解説

2025年8月21日木曜日

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1. WIPOってどんな組織?

WIPOは「World Intellectual Property Organization(世界知的所有権機関)」の略で、1967年に設立されました。本部はスイスのジュネーブにあり、知的財産(特許・商標・著作権など)を国際的に保護・促進することを目的とした国連の専門機関です。

世界中の発明やブランド、創作活動を守るために、国際的なルールづくりや各国間の調整を行っています。

2. 何を大切にしているの?

WIPOの使命は、「創造と発明を通じて世界の発展に貢献すること」です。

特に次の3つの価値を重視しています:

  • 知的財産を守ることで創造者の権利を保護すること
  • 発明や文化を国境を越えて共有できる仕組みを作ること
  • 知的財産を通じた経済発展や技術革新の促進

3. どんな活動をしているの?

  • 国際特許・商標・意匠の出願支援
    「特許協力条約(PCT)」や「マドリッド協定」などを通じて、複数国で同時に権利を取得できる仕組みを提供しています。
  • 政策や法律の支援
    各国政府に知的財産制度の整備や法改正のアドバイスを行います。
  • 能力開発と教育
    研修やオンライン教材で、発明家や中小企業、大学生に知的財産の活用方法を教えます。
  • 紛争解決の支援
    知的財産に関する国際的な争いを調停や仲裁で解決します。

4. 実際にどんな国で活動しているの?

WIPOは世界193か国(2025年時点)をメンバーとしており、ほぼすべての国で活動しています。

例としては:

  • アフリカの新興企業向けに商標や特許取得の研修を実施
  • アジア各国で特許出願の手続き簡略化やオンライン支援の提供
  • ラテンアメリカで著作権保護の法律整備支援

5. 注目の活動例

  • 特許協力条約(PCT)の利用拡大
    1回の出願で世界150以上の国・地域で特許保護が可能に。
  • マドリッド商標制度
    国際商標登録を簡単にして、ブランドの海外展開を支援。
  • 知的財産教育プログラム
    若手クリエイターや中小企業に、権利を守る方法やビジネス活用を教える。

6. WIPOとSDGsのつながり

WIPOの活動は、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」、目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関連しています。

7. 将来WIPOで働くには?

WIPOで働くには、次のような力や経験が役立ちます:

  • 英語やフランス語などの国際公用語
  • 法学、知的財産、技術、経済学などの学習
  • 国際機関や法律事務所でのインターン経験
  • 特許事務やブランド管理の実務経験

若手向けにはインターン、ジュニアプロフェッショナル(JPO)、契約職員からのキャリアスタートも可能です。

まとめ

WIPOは、世界中の発明や創作活動を守り、技術革新や文化発展を支える国際機関です。
「新しいアイデアを守りたい」「世界中の創造者を支えたい」という思いを持つ人にとって、WIPOは活躍の場となります。

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本記事はWIPO公式情報(ウェブサイト・報告書等)をもとに、中学生向けにわかりやすく再構成したものです。

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