中学生にもわかる!マルクス主義とは何か?
「マルクス主義」という言葉を聞いたことがありますか?ニュースや本の中で登場することもありますが、ちょっと難しそうですよね。でも、実はこの考え方は、「お金持ちと貧乏な人の間にある格差をどうすればなくせるか?」を真剣に考えたもので、歴史を大きく動かした重要な思想なんです。
マルクスって誰?
「マルクス主義」という名前は、ドイツの思想家「カール・マルクス(Karl Marx)」という人に由来しています。マルクスは1800年代に生きていて、「お金や働き方の仕組みが、社会をどう作っているか」を研究した人物です。彼は友人のエンゲルスと一緒にたくさんの本を書きました。
その中で最も有名なのが『資本論(しほんろん)』という本で、お金、労働、資本主義について深く分析しました。
マルクスが問題だと思ったこと
マルクスが生きていた時代、ヨーロッパでは「産業革命」が起きて、工場がたくさん建てられ、人々は働きに出るようになりました。でもそこで働く人たち(労働者=ろうどうしゃ)は、とても貧しくて、長時間働いても生活は苦しいままでした。
一方で、工場のオーナーや資本家(お金を持っている人たち)は、働かなくてもどんどんお金をもうけていました。マルクスは「このままでは不公平だ」と考えたのです。
社会は「階級」に分かれている?
マルクスは、社会には大きく分けて2つの「階級(かいきゅう)」があると考えました。
- 資本家(ブルジョワジー):工場やお金、土地を持っている人たち
- 労働者(プロレタリアート):工場などで働いて、お金をもらって生活している人たち
資本家は、労働者の「働き」によって利益を得ます。でも、労働者が生み出した価値の一部を「給料」として少しだけ渡して、残りを自分のものにしてしまう。これをマルクスは「搾取(さくしゅ)」と呼びました。
どうすれば搾取をなくせるの?
マルクスは「資本主義」という仕組み自体が不平等を生み出していると考えました。そこで、資本主義の代わりに「社会主義」や「共産主義」という新しい社会の形を提案しました。
社会主義とは?
工場や土地などを、資本家ではなく「みんな(国や社会)」が所有するしくみです。そうすることで、労働者が正当に報われ、搾取がなくなると考えられました。
共産主義とは?
社会主義がさらに進んだ形で、お金や階級がなくなり、すべての人が平等な社会です。マルクスは、社会は次のように進化すると考えていました:
- 資本主義(格差がひどい社会)
- 労働者による革命
- 社会主義(国家が生産を管理)
- 共産主義(誰もが平等な理想社会)
実際にどうなったの?
マルクスが亡くなった後、20世紀に入ってから、いくつかの国がマルクスの考えを取り入れて「社会主義国家」をつくりました。たとえば、ソビエト連邦(ロシア)や中国です。
しかし、実際には政府が強すぎて自由がなくなったり、経済がうまく回らなかったりして、多くの問題も起きました。
マルクス主義は今も使える?
21世紀の今、ほとんどの国は資本主義のしくみを使っています。でも、マルクスが問題にした「貧富の差」や「働いても暮らせない」問題は今でもあります。だから、完全にマルクス主義をそのまま使うわけではなく、社会のしくみを考えるヒントとして、今でもマルクスの考えは勉強されています。
まとめ:マルクス主義とは?
- マルクスは「不公平な社会を変えたい」と考えた
- 資本主義では、資本家が労働者を搾取していると主張した
- 社会主義・共産主義という新しい社会を目指した
- 理想と現実のギャップもあるが、今でも重要な思想
難しい言葉がたくさんありますが、要するに「みんなが平等に暮らせる社会ってどうすれば作れるのか?」を真剣に考えた人がマルクスだった、ということです。
このページを読んで、社会のしくみに少しでも興味を持ってもらえたらうれしいです!
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