【技術士第一次試験】基礎科目 対策まとめ(設計・情報・解析・材料・環境)
本記事では、技術士第一次試験(基礎科目)に向けた重要ポイントを分野別に整理しています。設計理論、情報処理、解析(物理・数学)、材料・化学、環境・エネルギーの5分野を網羅し、過去問の出題傾向(R1〜R4年度)に基づいて解説しています。
(1) 設計・計画に関する項目
ユニバーサルデザイン(R2, R3)
ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・能力・言語・文化などの違いにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できることを目指した製品・建築・情報・サービスなどの設計思想です。
- ノーマライゼーション: 障害者と健常者が共に暮らす社会を目指す理念
- カスタマイゼーション: 個別のニーズに対応した製品・サービスの提供
ユニバーサルデザインの7原則:
- 誰もが公平に利用できること
- 柔軟な利用が可能であること
- シンプルで直感的に理解できること
- 必要な情報がすぐに得られること
- ミスしても危険が生じにくい設計
- 少ない力で使用できること
- 適切なサイズと空間の確保
材料力学:応力・座屈・振動(R2, R3)
- 応力に比例する範囲:弾性域
- 応力を超えて変形のみ進行する範囲:塑性域
- 塑性変形が始まる点:降伏点
- 引張力によって生じる:引張応力
- 圧縮荷重により棒が折れ曲がる:座屈
- 固有振動数(Hz)= 物体が自由振動する際の振動数
- 許容応力 = 基準強度 ÷ 安全率
工程管理・製図法(R1〜R3)
- 工程管理: アローダイアグラムで作業工程の関係を図示(R1再)
- 保全: 故障予防・修復の考え方を区分して理解(R1再)
- 製図法: 日本では第一角法、米国では第三角法が主流。平面図は正面図の下に描く。
信頼性とアベイラビリティ(R2, R3)
直列・並列システムの信頼性:
- 直列:
Rs = R1 × R2 × ... × Rn
- 並列:
Rs = 1 - (1 - R1)(1 - R2)...
- 例:R1=0.9, R2=0.8 → 直列=0.72、並列=0.98
アベイラビリティ(稼働率):
式: MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
- MTBF:Mean Time Between Failures(平均故障間隔)
- MTTR:Mean Time To Repair(平均修復時間)
(2) 情報・論理に関する項目
公開鍵暗号・ディジタル署名
- 公開鍵暗号: 暗号化に公開鍵、復号に秘密鍵を使用
- ディジタル署名: 署名には秘密鍵、検証には公開鍵を使用
無線LANセキュリティ
現行では、WPA/WPA2規格が無線LANの標準的なセキュリティ方式です。
情報処理の基本知識
- 論理演算:・=AND、+=OR
- 1バイト=8ビット
- 記憶容量:1KB=1,000B、1MB=1,000KB、1GB=1,000MB、1TB=1,000GB
- ビット数が増えると情報量は指数的に増加(2のn乗)
(3) 解析に関する項目(力学・数学)
- アクセス時間の計算: キャッシュ時間 × ヒット率 + 主記憶時間 × (1 - ヒット率)
- 直角三角形の識別: 辺の比が3:4:5の場合、直角三角形となる
- 固有振動数: f = (1 / 2π) × √(k / m)
- 有限要素解析: 分割数を増やすと解析精度が向上する
- 微分: 定数の微分は0。ダッシュ記号 ‘ を用いる。
(4) 材料・化学・バイオに関する項目
- エーテル類はすべて極性分子(R1再)
- 非圧縮完全流体では密度一定(R2)
- ベルヌーイの法則: 流速↑ ⇒ 圧力↓、流速↓ ⇒ 圧力↑
- モル計算や酸の性質も基本問題として出題(R1再)
金属と材料の性質(R2)
- 銅は導電性が高い。鉄よりもアルミニウムの方が軽く、融点が低い。
- ジュラルミン:Cu, Al, Znを含む強化合金
- 永久磁石:鉄(Fe)
- 光ファイバーの素材:ガラス(Si)
結晶構造と単位胞(R2)
- 面心立方構造(FCC):単位胞に原子4個、配位数12
- 体心立方構造(BCC):単位胞に原子2個、配位数8
- 対角線と原子半径の関係は三平方の定理を適用
PCR法と耐熱性
DNA増幅に使用するPCR法では高温処理が伴うため、耐熱性の高い酵素を利用します。
(5) 環境・エネルギー・技術史に関する項目
- マイクロプラスチック: 5mm以下の微細なプラスチック粒子
- 家庭のエネルギー消費: 東日本大震災以降、減少傾向
- シェールガス: 米国などからLNGとして輸入が進む
- CO2削減: 「緩和」、災害影響への対応は「適応」
- 3Rの優先順位: 減らす → 再使用 → 再資源化
- 廃材や炭の発熱量: 石油・ガスよりも低い
- 再生可能エネルギー: 水力3%、太陽光など未活用7〜9%、合計10〜12%(R1再)
- ハレー彗星: 望遠鏡発明期に観測されており、古くから知られている
※出題年度は参考程度。実際の受験対策には最新の過去問・公式テキストの併用をおすすめします。
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