【4分で読める!】EU(欧州連合 European Union)とは?国家との違い、ブレクジットの理由を分かりやすく解説!

2024年2月25日日曜日

Brexit EU 国際関係論

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この記事ではEUとは何か、国家との違い、ブレクジットの原因を分かりやすく説明します!

EUとは

EU(欧州連合)は、「欧州連合条約に基づく、経済通貨同盟、共通外交・安全保障政策、警察・刑事司法協力等のより幅広い分野での協力を進めている政治・経済統合体。」のことを指します(外務省)。主な特徴は以下の点です。

1. 経済統合と共通市場: EUは、加盟国間での貿易や資本の自由な移動を促進し、共通市場を形成しています。これにより、関税や規制の壁が取り払われ、加盟国間での商取引が活発化しました。

2. 共通通貨ユーロ: EU加盟国のうち、一部の国は共通通貨であるユーロを導入しています。ユーロ圏では、ユーロが公式の通貨として使用され、欧州中央銀行によって管理されています。

3. 政治的連携: EUは、加盟国間での政治的協力を重視しています。欧州議会や欧州委員会などの機関を通じて、加盟国が共同で政策を策定し、意思決定を行っています。

4. 共通の価値観: EUは、自由、民主主義、人権、法の支配などの価値を共有しています。これらの価値観を守り、推進することがEUの重要な使命の一つです。

上記の特徴に関係する歴史上の重要な転換点がいくつかあります。

1. 欧州経済共同体(EEC)の設立(1957年): ヨーロッパの6つの国(フランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)がEECを設立し、経済統合を開始しました。これがEUの前身となりました。

2. マーストリヒト条約(1992年): EUの前身である欧州共同体がEUへと発展する道筋が打ち出されました。通貨統合や政治的連携の強化が盛り込まれました。

3. ユーロ導入(1999年): ユーロが11か国で導入され、共通の通貨として使用されるようになりました。

4.EU拡大: EUは多くの国々を加盟させ、組織を拡大してきました。これにより、ヨーロッパ全体での統合が進展しました。

EUと国家の違い

通貨や法律まで意思決定を持つEUですが、それでは国家とは何が違うのでしょうか?大きく4つの点で異なると言えます。

1. 主権と独立性:

 国家は、自己決定権を持つ主権国家です。国家は独自の政府、法律、軍隊、通貨、外交政策などを持ち、自国の領土と国民に対して完全な権限を行使します。
 EUは、加盟国の主権国家が一定の権限をEUに委譲して構成される組織です。EUは加盟国の協力に基づいて行動しますが、加盟国の主権を尊重し、一部の分野においてのみ権限を持ちます。

2. 権限の範囲:

  国家は、国内の法律、政策、経済、社会制度など、ほぼすべての分野に対して権限を持ちます。
 EUは、加盟国がEU条約によって定められた分野に関してのみ権限を持ちます。例えば、通商政策、競争政策、環境政策など、特定の分野において加盟国に代わって活動します。

3. 法律の権威:

 国家は、自国の法律が国内での最高権威であり、国内法は国民に適用されます。
 EUは、加盟国の法律とEU法が両方とも適用されます。EU法は加盟国の法律よりも優先され、加盟国の法律がEU法と矛盾する場合は、EU法が優先されます。

4. 代表権と意思決定プロセス:

 国家の政府は、国民の代表として国内外の政治的・経済的な決定を行います。
 EUは、加盟国の政府がEUの意思決定プロセスに参加し、EUの機関(欧州委員会、欧州議会、欧州評議会など)が共同で政策を策定します。 EUの意思決定プロセスは複雑であり、加盟国の国民も間接的にEUの政策に影響を与えますが、直接的な代表権はありません。

イギリスの離脱(ブレクジット)

 

2016年の国民投票で加盟国の一つであったイギリスが脱退しました(ブレクジットと呼ばれます)。上記を踏まえ、イギリスがEUを離脱した理由を4つのポイントで簡単に説明します。  

1. 経済格差と資金負担: 

 イギリスはEU内で比較的経済的に豊かな国の一つであり、EUの貧しい国々への経済支援に対する不満がありました。特に、EUによる補助金や開発支援の不均衡な配分に対する批判がありました。

2. EUによる規制と法律の不満:

 イギリスでは、EUが制定する法律や規制が国内の経済やビジネスに対して不利であるとの意見がありました。特に、EUの過剰な規制や理不尽な法律がビジネスや生活に影響を与えるとの不満がありました。

3. 移民問題と人口増加:

 EUの移民政策により、EU加盟国間で自由な移動が可能になったことで、イギリスには他のEU加盟国からの移民が急増しました。これにより、社会福祉や公共サービスの負担が増大し、国内の労働市場や住宅市場にも影響を与えました。

4. 主権の回復と国内政策の独立性:

 イギリスでは、EUによる規制や法律に縛られることなく、自国の政策や法律を自由に決定したいという主権の回復の要求がありました。特に、移民問題や社会政策など、国内での議論や決定がEUに左右されることに不満がありました。

まとめ

いかがだったでしょうか?この記事を通してEUの理解が少しでも深まれば幸いです。

EUは外交の場でもあります。外交についてはこちらの記事で説明していますので、ぜひお読みください!

【3分で読める】外交とは?~外交の定義、関係者についてわかりやすく解説します~


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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