この記事では、交通渋滞が発展途上国に及ぼす悪影響や、援助による解決(対策)例について説明します。
発展途上国では渋滞が大問題!
みなさんは、旅行やインターンなどで途上国に行った時に、渋滞にハマった経験はありませんか?おそらく、インドやタイを訪れたほとんどの人が、経験されているのではないかと思います。そうなんです。多くの途上国では、渋滞が大きな問題となっているのです。
渋滞がもたらす損失
道路が渋滞することは、負の影響ばかりをもたらします。例えば、、、
(1) 時間を失う
渋滞にはまって、行きたいところに着く時間が遅れると、その分の時間を失うことになりますね。日本でも渋滞で遅れることはありますが、途上国の渋滞は日本の比ではありません。
例えば、向かいのビルへ移動するのに、歩いて3分なのに、車だと1時間かかってしまうこともあります。これでは仕事も全く進みませんね…
(2) 公害をもたらす
渋滞が起きると、多くの車が長い間エンジンを付けたまま道路を走ることになります。すると、自動車の排気ガスもそれと比例して多くなり、結果的に公害問題を引き起こすことになります。3分の運転で出る排気ガスと、1時間の渋滞で出る排気ガスでは大きく違いますよね…
(3) 経済的な損失も
時間を失ったり、公害が出たりすることによって生まれる経済的な損失は、とても大きなものです。たとえば、運転手が渋滞で時間を失うことがアメリカ経済にもたらす損失は、年間1000億ドル以上と推定されるそうです。
援助による渋滞問題の解決
ここまでで、渋滞問題を解消する重要性をご理解いただけたかと思います。渋滞問題を解決するために、途上国政府自身も色々と取り組んでいますが、先進国による援助には、渋滞問題の解決を目的とした支援もあります。
例えば、バスや地下鉄、モノレールなどの公共交通の整備がその一つです。皆が自分の車ではなくて、公共交通機関を使えば、自然に車の台数も減り、渋滞も解消されますよね?日本がタイやエジプト、トルコなどで2国間援助で実施している地下鉄整備の援助は、すべて渋滞緩和を目的の一つとしています。(*3)(4)(5)
実際に、タイでは少しずつ渋滞が解消されており、私がバンコクへ行く際にも、以前と比べると渋滞に引っかかることが減ったと感じます。渋滞の解決は、意外にもこれからの世界ではとても重要な課題の一つです。皆さんも、渋滞解決の方法について、考えてみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考文献
*1 建設コンサルタンツ協会 海外の交通渋滞の状況とわが国の取り組み〜開発途上国を中心に〜
*2 独立行政法人経済産業研究所 車の増加に追いつかない道路事情:世界中の都市が抱える問題
*3 JICA ODA見える化サイト バンコク地下鉄建設事業(5)
*4 外務省 外国の切手になったODAボスポラス海峡横断地下鉄整備計画(トルコ)
*5 JICA ODA見える化サイト カイロ地下鉄四号線第一期整備事業
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