旅する書き手:Yuto Nomad
「鍵はどこにあるの?」「契約金を送ったのに音信不通…」
そんな話、あなたの周りでも聞いたことはないだろうか?
海外生活は刺激的で楽しいもの。でも、その最初のステップである“住まい探し”には、予想外の落とし穴が潜んでいる。
今回は、私が実際に体験した海外アパート契約の“詐欺未遂”事件を通して、どう防げばよかったのか、どんな点に注意すべきなのかを、実例とともに紹介していく。
実例:ドイツでの“完璧すぎる物件”
当時、私はベルリンでの短期滞在先を探していた。掲示板で見つけたある物件は、写真も詳細情報も完璧。駅から徒歩5分、家賃は相場の6割、家具付き。しかも「即入居可」だった。
「これは掘り出し物だ!」と舞い上がった私は、掲載者とメールでやり取りを開始。彼は「現在海外にいるので、代理人を通じて鍵を送る」「保証金は先に送って」と言ってきた。
少し怪しいとは思ったが、やり取りは丁寧で、文法もしっかりしており、本人確認書類も送ってきた。信じた私は、国際送金をしかけた。
だが、直前で「念のため画像をGoogle検索してみよう」と思い立った。
すると…なんと、その内装写真は、別の不動産会社の公式サイトから転載されたものだった。プロフィール画像も、ネットで拾った素材だった。
私はギリギリのところで送金を踏みとどまった。まさに“詐欺未遂”だった。
詐欺の兆候を見逃すな!
この経験から分かった「詐欺物件」の典型的な兆候は以下の通り:
- 相場より明らかに安い(特に欧州ではあり得ないほど)
- メールの文章が丁寧すぎる or 定型的すぎる
- 内見ができない理由を説明してくる(海外出張中など)
- 契約前に送金を急かす
- 画像が綺麗すぎる(フリー素材のような見た目)
ネット上の口コミや、他のサイトで同じ物件写真が使われていないか調べるだけでも、かなりの“地雷”を避けられる。
被害に遭わないための具体的な対策
1. 現地で内見できるまで送金はしない
どれだけ焦っていても、写真と文面だけで信用してはいけない。信頼できる友人や現地エージェントに内見を頼める場合はベスト。
2. 画像検索を活用する
掲載されている写真をGoogle画像検索(右クリック→「Googleで画像検索」)すれば、他サイトで使われていないか確認できる。意外と引っかかる。
3. 本人確認は“動画通話”で
メールやパスポートの画像は偽造可能。Zoomなどで顔を合わせるだけで、詐欺師は離脱することが多い。
4. 契約書類は必ず読む+翻訳を
言語の壁がある場合も、DeepLなどを活用して契約書の内容は必ず理解しておく。法的拘束力のある文書は一度署名すると覆しにくい。
5. 保証金の支払い方法にも注意
送金を要求された場合は、PayPalなど“返金制度がある方法”が望ましい。Western Unionなど追跡不能な手段は避ける。
要注意エリア別:よくある詐欺パターン
- ベルリン・パリ・ロンドン:空室不足を悪用した詐欺。偽のエージェントや海外在住オーナーに注意。
- バンコク・ホーチミン:デポジット詐欺や、契約後に条件を変更されるケースが多い。
- カナダ・オーストラリア:学生ターゲットのSNS詐欺。Facebook Marketplaceも要注意。
まとめ:焦らず、疑いすぎるくらいがちょうどいい
海外の住まい探しは、言語や文化の壁もあって、つい焦ってしまう。でも、だからこそ冷静さと疑いの目が最大の防御だ。
便利な時代になった分、詐欺も巧妙になっている。写真、やり取り、書類——すべてが「信用できそう」に見えても、最後に自分の直感が「ん?」と感じたら、そこにヒントがある。
私のように“未遂”で済めばいい。でも、そうじゃなかった友人も見てきた。だからこそ、この記事が誰かのリスクを減らすヒントになれば嬉しい。
Written by Yuto Nomad
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